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限界集落ツアー増富ミーティング 〜限界集落の底力を追え!〜


オープンキャンパスレポート

旅をするほど、(地方の人にとっても都会の人にとっても)豊かな未来になる。そんな思いから始まった‘関東ツーリズム大学’。

2006年全国の限界集落数は7,873。先ずは、そのうちの一つ、高齢化率62.2%誰からも疑いなく「限界集落*」と位置付けられる山梨県北杜市須玉町増富地域を、地域探しツアー「Discover J」との共催で関東ツーリズム大学の第1回オープンキャンパス開催地としました。
*人口の50%以上が65歳以上の高齢者になり、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落のことを指す。:『ウィキペディア(Wikipedia)』

えがおつなげての拠点、増富地域「みずがきランド」にて先ずは地場の季節の食材を使った箱膳の昼食をいただきながらどうして玄米なのか?どうして季節の地元の野菜なのか?「食育プチ講座」。

当日の箱膳メニューは;

  • 黒米玄米ご飯
  • たけのこのおすいもの
  • 手打ちそば
  • タンポポ、人参、ヤマイモのサラダ
  • ひじきと青大豆のたきあわせ
  • つけもの
  • ふきみそ
  • 蓬の草もち 花豆あん
  • 往路の車中での自己紹介は、初めてお会いする人が多いツアーでのウォーミングアップ的な時間。参加した理由、現在やっている仕事や活動、今後の展望等の情報は車中にて入手済み&身近に感じることができました。食事中も初対面とは思えないほど話がはずみます。美味しい箱膳について・これから実際に見る‘限界集落’について・・・・

    須玉町増富

    そして、昼食後はお昼寝・・?とんでもない!!座学にて「これから視察する増富地域に関する情報をインプット」

    須玉町増富

    地元住人であり増富地域再生協議会会長の小林忠雄氏からも熱心なご説明を頂きました。

    須玉町増富

     予備知識をしっかりインプットした後は、いざ現場視察へ!みずがき山自然公園の周辺は、樹齢50年のカラマツ人工林。この地域では森林の35%をカラマツが占めておりますが、現在は市場価値がなく利用方法に悩んでいるとか・・・でも参加者のお一人(建設関連の方)から、あと50年待って、樹齢100年になるとものすごい市場価値が出るので、「宝の山」だと思って待つべきだと教えていただきました。

    須玉町増富

    放置されているのは、農地だけではありませんでした。かつての牧場40haも今は使われておりません。

    須玉町増富

    4月26日、東京では桜も散ったというのに、ここでは気温12度!さすが標高1200m。寒い雨の中、牧場にて熱心に地元農家の方の話に耳を傾ける参加者。

    須玉町増富

    その後、空家が目立つ「神戸集落」、廃校となった「増富中学校」を見学し、いよいよ本ツアーのメインスポット「樫山地区」へ。
    かつての樫山地区は、平均耕作面積が他地域の2倍という裕福な地域でした。12世帯70人以上の住民がおりましたが、現在は1世帯2人のみ(平均年齢75歳?)。ここでも地元住人の方からご説明をいただきましたが、その楽しい話術に周りの廃屋風景から受ける寂しい気持ちが少しほぐれました。

    須玉町増富

    実は、こちらも住人は居らず・・・でも庭の草木は、見てくれる人もないのに季節が来れば花を付け・・・(しんみり)・・

    須玉町増富

     道路の反対側にある「樫山の集会所」。。。跡!昔は賑っていたんでしょうが・・・

    須玉町増富

     冷え切った体は、「増富の湯」温泉でしっかり暖め、地元野菜たっぷりの夕飯(ウド・タラの芽の天麩羅、コゴミの和えもの、ウド酢味噌和え、ほうとう風味うどん、蕎麦サラダ、和風カナッペ、煮物、取れたてニンジン・ラディッシュ)で満腹にしてバスで一路東京へ

    須玉町増富

     車中では、(起きている人で)感想会。「本日の感想と4か月後の目標=自分のあるべき姿」を発表。(自分へのプレッシャーをかけるため&公表すると実現する率が高くなるそうです!)

    皆さんのご感想の一部をご紹介します;


    • 「限界集落」言葉は知っていたが、実物を見たのは初めて。ちょっとショックでした。
    • すごい息詰まり感を感じた!
    • いろんなものが「もったいないなぁ〜」と思った。これからの研究材料にしてみたい。
    • 今日見学した限界集落は、日本全国の中山間集落の近い将来の姿をみているようで・・・怖くなりました。
    • 人間は過去の歴史の中、何度かこのような危ない時期を乗り越えてきた。われわれにはそのようなDNAが組み込まれているはずだから、きっとこの問題もなんとか道を見出して乗り越えるだろう。
    • 「限界集落には何が残っているのか」を見るためではなく「何がないのか」を見るために参加した。残り火となっている地域、救いようはあるのか?
    • 消えゆく村は、消えゆく村でしょうがない。残った住民は、里に下りて耕作すればよいのでは?
    • 近い将来食糧が不足するのを見越して、自分の家族が生き延びていけるよう、耕作をしていきたいと思い参加したのに、みなさんは優しいな〜。
    • 「絶望」と「希望」を見た一日だった。
    • 牧場の補助金制度。何とか変えられないものか?今のままではおかし過ぎる。
    • 牧場とは、仔牛の買い付けを見越して、搬送経路の最短の場所に、また屠殺場へのアクセスの良いところに立地させるのが通常だが、この牧場はそのどちらも当てはまらず、経営を加味して設計された牧場とは思えなかった。(牧場・農場経営者)
    • 植林されたカラマツを増富の方々は厄介者のように捕えているが、50年後には貴重な材として価値が出るはず。大切にして待って欲しいと思った。
    • 増富地域は、限界集落ではあるが、地元の人がとても元気で希望をもって「地域再生」に取り組んでいるのがわかった。他の限界集落にも、このような光が射し、地元住人が希望をもって毎日を過ごせるようになれば良いと思った。そうすれば日本国中の中山間地はきっと変われる。


    後記:
    「百聞は一見にしかず」

    第1回目のオープンキャンパスでは衝撃的な現場を目の当たりにし、重い空気で帰途につきました。日本の農村はこれからどうなるんだろう?どこも今日見た増富地域のような状態になるのかな?都会の人の食べ物は十分確保されていけるのかしら?大好きな里山景観は、藪(ヤブ)とイノシシだらけになっちゃうのかなぁ?

    これからも関東ツーリズム大学を通しいろんな地域を見て&感じ、皆さんと一緒に「思い」を溜めていけたら。そして、その「思い」がうねりを起こし「かたち」となって表れたなら・・・
    みなさん、これからも関東ツーリズム大学で共に「思い」を語り合いましょうね〜

    最後に、ツアーの企画・運営におきまして、たいへんお世話になりました渡辺さん、早田さんありがとうございました。


     

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    先生紹介
    小林忠雄

    小林忠雄


    増富地域再生協議会会長
    北杜市議会議員、増富地域委員会顧問、北杜市須玉町塩川集落在住。公民館主事を9年間にわたって務めるなど、地域貢献第一をテーマに活動。昨年2月に発足した増富地域再生協議会では、増富地域内の組織が持つ資源や知恵を集結し、地域資源を活用した都市農村交流によって地域を活性化していくための活動をしている。
    曽根原 久司

    曽根原久司


    NPO法人えがおつなげて 代表理事
    山梨大学客員准教授、関東ツーリズム大学事務局長を務める。長野県出身、東京の大学を卒業後、フリーター、ミュージシャンを経て、経営コンサルタントの道へ。銀行などの経営指導を通して日本の未来に危機を感じ、その救済モデルを創造すべく、東京から山梨の農山村地域へと移住。農業・林業をしながら“村・人・時代づくり”をコンセプトに都市農村交流の実現を目指す法人えがおつなげてを設立。「第一回オーライ! ニッポン大賞ライフスタイル賞」受賞や、内閣官房都市再生本部が選定する「地域活性化伝道師」235人中の1人にも選ばれる。
    小黒裕一郎・彩香夫妻

    小黒裕一郎・彩香夫妻


    NPO法人えがおつなげて
    えがおファーム・グリーンツーリズム担当
    増富地域にたくさんある遊休農地を開墾し、農薬や化学肥料に頼らない農業や、農場を舞台とした農業体験、キャンプ、味噌仕込みなど、各種グリーンツーリズムイベントの企画、運営をしています。えがおファーム産無農薬、新鮮野菜をイベント時に食材等として用いるなど、農・食を基盤とした社会つくりに勤めています。2005年横浜から増富に移住。
    渡辺大介

    渡辺大介


    本籍 山梨県富士河口湖町
    1975年山梨県生まれ。1998年4月足和田村役場企画振興課配属。2003年11月町村合併により富士河口湖町役場まちづくり推進室配属。「制度を作った者よりも制度を活用した者が素晴らしい」の考え方で、行政の立場から地域活性化に取り組む。2006年より内閣官房構造改革特区推進室・地域再生事業推進室(現地域活性化統合事務局)兼内閣府構造改革特区担当室・地域再生事業推進室勤務。