僕は日本人です、と日本で生まれた僕にとってそう声にすることはとても簡単なことですが、そこに“誇り”はまだ持てていません。日々の生活の中でどれだけ日本人で良かったと思える瞬間があるのだろう、そもそもこの“日本”のことをどれだけ知っているのだろう、そんな疑問を感じていたところ、今年やってきたのは日本ブーム。みなが本能的に何かを感じホームシックになっているのだとしたら、日常に落ちている“日本”を探しにいく、そんな探求や学びの旅が、今とても大事なような気がしています。
江戸時代中期、日本の農村に「結い」という美しい文化が生まれました。これは一人では生きていけない村の暮らしの中で労力を交換することにより支えあい、助けあってきた日本の伝統文化とも言える習慣です。戦後の経済成長の中でこの「結い」は消えていきますが、今なおこの習慣が残っている農村地域もあります。そんな美しい原風景や文化が残る日本の農村には、多くの今と昔の“日本”が隠されています。こういったストーリーを知ること、現地での体験を通じて感じること、それは間違いなく僕ら日本人の生活に多くの彩りと誇りを与えてくれるはず。
これが、関東ツーリズム大学の「旅する授業」です。そしてこの授業は、社会的責任を果たす企業や、地域活性化活動を行なっているNPO、行政などの連携によりつくりだしていくことを予定しています。「結い」が新しいカタチとなり、この日本でまた育まれていくことを願って。
関東ツーリズム大学協議会事務局ディレクター
株式会社ナノ・アソシエイツ 代表取締役
NPO法人えがおつなげて 理事
NPO法人遊楽(ユウガク) 副理事長
NPO法人創造の森 理事
OFFICE ASA 代表土地家屋調査士
1977年生まれ、茨城県出身。渋谷区と山梨の農村の二地域に在住。2005年、まちと空間のブランディング会社「株式会社ナノ・アソシエイツ」を設立。小さなお店から大きな街まで幅広く企画・設計・デザイン・情報発信を通じたブランディングを行なう一方で、全国を旅しながら訪れた観光地や農村の活性化活動を地元の人たちと行なっている。2006年、NPO法人えがおつなげての理事に就任、関東ツーリズム大学構想やESD(持続可能な開発のための教育)伝道師などを担当、持続可能なネットワーク社会・循環社会の創造を目指す。