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「ツーリズムが秘めた可能性」

 20世紀は、物質文明の発展の反面、環境問題や様々な格差の拡大、精神の荒廃をも生み出しました。21世紀は、多元的生命文化主義に立って、人々の豊かなライフスタイルの創出を通した都市と農村、人間と自然の共生が課題となっています。
 そもそも、ツーリズムとは、非日常の空間において非日常的な体験や、感動的な交流を楽しむ新たな旅の形態であるツアーに原義がありますが、そうした個性的な旅に関わる人々の相互行為によって、双方が豊かな自己実現を遂げることが期待されます。
 イギリスでは、ナショナルトラストによる自然文化遺産の保護をはじめ、田園地域の景観や文化を保全する制度や仕組みが極めて多様に定着して、人々はカントリーライフを様々な形で享受しており、困難な農村再生への取り組みも見られます。
 こうした先駆的な実践事例に学びながら、「農」に秘められた多面的な価値共有を通して、都市と農山村の住民の協働行為による協発的な発展という、オルタナティヴな農村再生を探り、大事な課題への接近を図りたいものです。

青木 辰司(あおき しんじ)

青木 辰司(あおき しんじ)

関東ツーリズム大学協議会委員
東北ツーリズム大学副学長
東洋大学社会学部教授
NPO法人日本グリーンツーリズム・ネットワークセンター 代表理事

「農」を介した新しい都市農村交流を図り、西欧初発の地域づくり活動の普及のため、多方面に関わる。新たなパートナーシップ型農村再生を目指した、マニフェストを含んだ『持続可能なグリーン・ツーリズムー英国に学ぶ実践的農村再生』(丸善)を出版。「日本グリーンライフ・ツーリズム学会」設立準備中。

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